自然なかたち
ハタチ頃からか?
気付けば右側の前髪だけに集中して生えて来た白髪は、
年々少しずつ増えてきて、今や真っ黒い髪の一角から
完全にその存在を主張するようになってきた。
湿度や熱には影響されないけど
ピンどめやゴムで縛ると簡単に癖付く
扱いづらいほどにまっすぐだけど、
細く、柔らかい黒髪。
ある美容師さんが、髪質と人間性は一致すると言っていた話が
わたしには納得できる。
何物にも影響を受けない、固く芯のある強さではなく、
どこか不完全で脆く、危うさをふくんでる。
まさにこれはわたしの髪だね。
この白髪を気にして、敢えて隠してた時期もあったけど、
そいつはちょうど分け目のところに生えてあって、隠そうとしてもちらりと黒髪の一角から覗かせる。
まるで、「ここにいるよ」と、
遠慮がちにもその存在を主張するのが、“自然なかたち”なんだ。
なら、もうこいつを隠したり抑えつけたりせずに、いっそ出してやろうと
去年の夏にそう思った。
自然なかたちを与えてあげよう。
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